ワキガは匂い系の悩みのなかでも群を抜いてヤッカイだ。
なぜなら親しい友だちでさえ「ワキガだよ」とは指摘しにくいデリケートなニオイ。

どんなにイケメンや美人でも、いくら仕事が「デキる人」でも、陰ではこう囁かれているかもしれない。


ワキガビトがワキガであり続けるパターンは3つ。
- ワキガだと自覚して対策を施しているけどワキガ臭が残っている
- ワキガだと自覚してるけど処置していない
- 誰にもワキガだと指摘されず気づいていない
1は同情できる。迷惑かけないよう努力しているから。
2は同情できない。毎日お風呂に入ったり、ニオイを抑えるデオドラントクリームやスプレーなどを使ったり、軽減できることはあるはずなのに。
モンダイは3。

ナゾのフラれ方をしたり、とつぜん人事異動を命じられたり、友達と疎遠になったり…無自覚のままワキガのニオイで敬遠される人生ほど辛いものはなく、不幸以外の言葉が見つからない。
本人が気づかないまま日々過ごすコト。
この罪なき無自覚ワキガこそ一番の悲劇なのだ。
じぶん、ワキガかもしれない・・・?
ひょっとしてワキガかもしれないという不安があるあなたに、すぐできるセルフチェック法を紹介。軽減できる対策も合わせておさえておいたので参考にしてほしい。


ワキガとは
ワキガが匂うきっかけは「汗」。
健康な人なら誰でもかくものだが、実はその汗にも2種類〜アポクリン腺とエクリン腺があることを知っておく必要がある。
原因はアプクリン腺
そのうち、ワキガの発生源となるのはアポクリン腺。
体毛と繋がっていて、分泌される汗には粘り気があるのが特徴だ。
皮脂腺にも注目。毛穴のすぐそばの表面近くにあり、その分泌物は皮膚の保湿や殺菌作用などの役割を持っている。過剰に出るとニキビや吹き出物の原因にもなる。








エクリン腺とアポクリン腺(毛汗)の特徴
汗の特徴 | |||||
部位 | 色 | ニオイ | 触った感じ | 病気 | |
エクリン腺 | 全身 | 無色 | 塩分を含む | 粘り気が少なくサラサラしている。99%水分。 | 多汗症 |
アポクリン腺 | 毛が生えてるところ(耳の中、脇、乳輪、陰部、肛門など) | 無色だが細菌に分解され黄色く変色することがある | 無臭だが、細菌に分解されると独特の臭気を放つことも | 粘り気がありベトベトしている | ワキガ症 |
アポクリン腺(毛汗)から分泌される粘り気のある汗を皮脂腺などから出る皮膚の雑菌が分解することでニオイが発生。独特の悪臭を放つ「わきが」と呼ばれる匂いになる。


難しい言葉だと、アポクリン汗腺から汗が出て分泌亢進(高ぶり進む)によって起こる。
自分の目で確かめたいときには、白系のTシャツを着て汗が出る程度の運動。ワキの汗を拭かずにそのまま放置します。放置するのは雑菌が分解・発酵する時間が必要となるため。黄色くなっていればワキガの可能性は高くなる。
二次性徴(性ホルモン)が現れる思春期になると分泌が増えます。一方、年を重ねていくにつれ減る傾向にある。


アポクリン腺がある部位
アポクリン腺はワキ以外にもあるので、ワキガビトは他の部位を意識することも必要になってくる。
ワキの下のほか、耳の中や乳輪、陰部、肛門に存在。
陰部は「スソガ」、乳輪は「チチガ」と呼ばれ、人知れず悩む人も少なくない。
特に、スソガに関しては交際相手から指摘されて初めて気づかされるケースも。

ワキガのアポクリン腺
誰にでもあるアポクリン腺だが、ワキガの人とそうでない人の違いはなにか。
その特徴は2つ。
・穴が大きい
・数が多い
イメージです


その分、汗の量が多い。つまり、重要なセルフチェックの1つとなる。
ワキガ・セルフチェック
では、ここから本題。
じぶん、ワキガかもしれない・・・?
そう思ったときのセルフチェック項目は8つ。一つずつ見ていこう。
チェック1:汗をかきやすい
まずは、汗をかきやすいかどうか。繰り返しになるが、ワキガの人のアポクリン腺は大きくて数が多いといわれている。
冬でもよく汗をかく人は要注意。

ワキガ体質の人が汗をかきやすいだけであり、汗をかきやすいからといってワキガというわけではない。
チェック2:家族にワキガがいる
ワキガは遺伝します。
両親のどちらかがワキガであれば、確率は高くなります。両親がワキガではなくても、祖父母や兄弟がワキガであれば可能性は上がる。
親族に「ワキガ」がいるなら疑ってかかろう。
ワキガは病気ではなく体質。避けられない運命だ。運命を受け入れて、できる対策を施せばニオイは軽減することができる。
チェック3:耳アカがベトベト湿っているタイプだ
耳アカには、カサカサタイプとベトベトタイプの2種類ある。
ワキガが多いのはベトベトタイプ。
耳の中はアポクリン腺がある部位。湿っているということは、それだけ汗=アポクリン腺が多いことを意味している。
カサカサタイプより多いことは、医学的にも統計学的にも明らかになっている。耳アカが湿っていたら、ワキガにも注意が必要といえるののだ。
とはいえ、耳アカがベトベト=ワキガではない。あくまでもアポクリン腺が多いだけであり、ワキガとイコールとはいえないので安心を。
ちなみに、NHKあさイチによると、カサカサとベトベトの割合は・・・
23対77
23のベトベトタイプの方、親族にワキガがいたら確率アップするので気にしておこう。
チェック4:洋服や肌着の脇が黄ばむ
ワキ汗が染みる洋服や肌着が黄ばんでる…ワキガの可能性アリ。もし黄ばんでいたら、アポクリン腺から出た汗が分解してできた色の可能性が高い。
すでにワキガを自覚している人は、ポリエステルなどの化学繊維ではなく綿100%しか着ません、という人もいる。
一旦こびり付いた色や臭いが取れないと知っているからだ。
チェック5:ワキ汗がベトベトしている
ワキ汗に触れたとき、サラサラではなくベトベトしていたらワキガの可能性アリ。
アポクリン腺が多い証拠となる。


チェック3でも指摘したが、アポクリン腺はベトベトしているのが特徴。
運動や暑いときのワキ以外の汗と比べて、ベトついてるかも?と感じたら次のステップ(友人や医療機関に相談など)に進もう。
チェック6:ツンと酸っぱい
自分でもニオイをかいで判別することができなくはない。
ただ、長年ワキガのニオイを嗅いだせいで嗅覚が麻痺しているか、慣れてしまっているかなどの原因で気づかない可能性もある。両親ともにワキガの場合、生まれた頃からワキガのニオイが空気のように身近で余計気づかないかもしれない。医学的には嗅覚疲労といって、特定の匂いをかぎ続けることにより、匂いを感じなくなってしまうのだ。

ニオイを嗅いだ周りの人にとっては悪臭。本人だって気づける方法はある
例えば、汗が染み込んだシャツをしばらく放置。その後、ワキの下部分のニオイを嗅いでみて、少しでもツンと酸っぱい、人によってはネギや玉ねぎ、鉛筆の芯を寄せ集めたようなニオイを感じたらワキガの可能性アリ。
チェック7:毛深いほうだ
毛深い人にワキガが多いのは先ほどの画像からもわかるはずだ。
ワキガの原因となるアポクリン腺の汗は毛穴から出てくる。胸毛もじゃもじゃの外国人にワキガが多いのも頷ける。
チェック8:親(近親者)や恋人に聞く
誰かに聞くなんてセルフチェックじゃないじゃん、と言われたらそうかもしれません。
でも・・・親きょうだいや恋人にも聞けませんか?
本来であれば、親が子供にしっかり伝えることが義務であり責任。ワキガは遺伝なのだから。
チェック2「両親どちらかがワキガだ」をクリアしたとしても、両親や祖父母などに「ワキガの親戚いたっけ?」聞いてみるのも有効なチェック法となる。
また、恋人に聞くこともアリ。恋人は言うことができずに悩んでいるかもしれない。傷つくかもしれない…と心配して言わなかった恋人はホッとして協力者になってくれるはずだ。
セルフチェックに引っかかったら
8つのセルフチェックを終えた結果、いずれにも該当しなかったあなたはもう安心。このあとの項目を読まなくても大丈夫だ(たぶん)。

セルフチェック項目に1つでも該当した場合は、症状の重さに応じていずれかの対策が急務となってくる。
ただし、あくまでもセルフチェックは自己判断。いちど皮膚科や専門の病院でワキガかどうか調べてもらうことがベストとなる。
ワキガ=手術のイメージがあるかもしれないが、メスを入れなくてもいい療法がある。まずは診療を受けてみることをおすすめしたい。
また、腋臭症であれば保険が適用されるので金銭面でも安心だ。
対策や治療は?
ワキガにも軽度から重度まであり、重さに応じて対策や治療も変わってくる。
軽度のワキガ対策
まずは、脇を清潔に保つこと。


理論上、汗をかくだけでは、いきなりニオイは発生しない。菌と混ざり合い分解する前なので拭き取ればニオイの発生を食い止めることができる。
できることはこちら。
・毎日お風呂に入る
・汗フキシートなどで汗を拭き取る
・クリームやスプレーなどの制汗剤を塗る
・におい対策の石鹸を使う
・予備のシャツに着替える
・香辛料を使わない野菜中心の淡白な食生活
・インナーは綿100%にする
アマゾンの通販で買えるものから評判のいいものをまとめてみた。
汗ワキパット
汗ワキパットは、女性なら必需品という人も多いですが男性にもおすすめ。
・塗るタイプより効果あり
・シャツが濡れなくなった
・周りを気にすることがなくなった
・レディースより厚みがある
・ワキガを気にしなくなった
・インナーにつけるとYシャツが汗染みしなくなった
<不満>
・すぐ剥がれる
・ズレやすい
・貼るときコツがいる
・香りが気になる(シトラス)
・無香タイプが欲しい
・生地によってはくっつかない
制汗剤
制汗剤はクリームやスプレーなど様々なタイプがある。
エキシウクリーム
・好きな香り
・効果が長続きする
・値段が手頃で助かる
・夏の必需品
・1年くらい持つ
・軽いワキガの必須アイテム
<不満>
・ベタベタが気になる
・合わない
・自分には効果がなかった
・クリームがなかなか落ちない
・汗が止まらない
ビオレ デオドラントZ ロールオン
・「1日ずっとニオわせない」の宣伝文句通り長持ち
・塗りやすい
・安いので助かる
・効果あり
・大満足
・軽度なワキガにはイイ
・汗だくになってもニオイが気にならなかった
<不満>
・赤くなった
・アルコール分?に弱い人は不向きかも
・1日持たない
・自分には合わない
・デオナチュレのほうがいい
オドレミン
塩化アルミニウム含有です。病院で処方されるものですが市販ではオドレミンが代表格。においを抑える効果があり、軽度のワキガには効果が期待できる。ティッシュやコットンに染み込ませて使う。
・俺の定番
・ワキガ消臭デビューはこれ
・無香料なので使いやすい
・夏は手放せない
・ワキ汗がしっかり止まる
<不満>
・かゆくなった
・パッチテストをしたほうがいい
・荒れた
・向き不向きがある
ほかにも、様々な市販品が出回っているので自分にあったものを探してほしい。そんなに高価なものではないので、取っ替え引っ替えするのもアリ。
デオナチュレ
リピーター続出で女子には大定番。もちろんメンズも出ている。
・朝シャワー後に塗って夕方まで持つ
・手放せない
・もっと早く出会いたかった
・リップのような作りで使いやすい
・10年くらい使ってる
・結局戻ってくる
<不満>
・量が少ない
・値段が高め
・無香料にしてほしい
主成分は焼きミョウバン。手作りミョウバン水も安価で作ることができる。コスパ優先なら手作りをオススメしたい。
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薬用すっきりデオドラントソープ
お風呂のボディソープにも気を使おう。評判がいいのはこちらの固形石鹸。
除菌できるアルコールタイプのウェットティッシュやタオルをすすめている人もいたが、これは個人差がある。わたしの場合は、皮脂のバランスが崩れて皮膚から脂が過剰に分泌されるようになった。アルコール由来の商品は本来共存すべき菌や皮脂まできれいに取りすぎてしまうリスクもあるので気をつけよう。
中・重度のワキガ対策
できることはこちら。
・医療機関による治療、手術
・抗コリン剤などの内服薬(保険適用)
・ボトックス注射(保険適用)
・レーザー脱毛
ほか
手術にもいろいろある。
一般的なのは脇の下を切開しアポクリン腺(毛汗)を目視しながら取り除く手術。3〜5センチの傷口が一筋残る。
そのほかの手術も含めてアポクリン腺を完全に除去するのは難しく、アポクリン腺「再発した」という声も耳にする。
手術は怖いという人もいて、中度・重度の人でもクリームや制汗剤などでしのいでいる人が多いようだ。
まとめ
無自覚は悲劇だが、気にしすぎるもよくないことがわかってきた。気にしすぎるあまり、引きこもりがちになったという声もあった。


ワキガ対策は着るものやお風呂のソープ、食生活の改善まで関わってくる。自分ひとりではなく、家族や恋人を巻き込んでほしい。
「おれ、ワキガ?」

聞いてみるちょっとの勇気を持とう。